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学校の英語は「直訳」ばかりで「意訳」は教えないという印象がある。でもそうでもない。

受験英語で有名な構文に "too ... to ..." というのがある。これは「...すぎて...できない」と訳すことになっている。

He was too tired to do any work.

この例文なら
「彼は疲れすぎていて何もできなかった」
と訳せば正解だ。これは意訳ではないのか。
直訳なら
「彼は何かするには疲れすぎていた」
となるだろう。

ほかの例をいえば "not ... until ..." というのもある。

The man did not come until the meeting was over.

これは
「会が終わってその男はようやく姿を現した」
と訳すのが受験英語では定番になっている。これも意訳だと思う。
直訳なら
「会が終わるまでその男は姿を現さなかった」
になるはずだ。

It was not until the meeting was over that the man came.

というかたちも多いが、これは
「男が現れたのは会が終わるより前ではなかった」
というのが直訳になるだろうか。

ともかく、学校で教えている構文といわれるものは、実は「意訳のしかた」のことなのかもしれないと思う。

コンピュータ関係のマニュアルを訳していると

You will be prompted to delete the file.

というような文によく出くわす。これは
「ファイルを削除するかどうかをたずねるメッセージが表示されます」
と訳すのが定番だと思う。こういうのは意訳のような気がするが、英文はまさにそういう意味だから直訳といってもよいようにも思われる。よくわからない。

Repeat step 1 through step 7 until all items are added.

というような文もマニュアルによく出てくる。これも
「手順 1 から手順 7 を繰り返してすべての項目を追加してください」
と訳すのが、まあ、ふつうだと思う。
「すべての項目が追加されるまで手順 1 から手順 7 を繰り返してください」
と訳せなくもないが、原著者の意図と少し違ってくるような気がする。
これはどちらが意訳でどちらが直訳なのか。やはり、よくわからない。
コメント
この記事へのコメント
語順や文の構造が異なる英語‐日本語間の翻訳では「直訳」は完全な文章ではなく解釈の一過程(ある時は間違い?)であると考えています。また、正しい情報の把握が第一にされるべきで、学校の試験で受験英語を基準にした意味のない(?)減点をするのはどうかといつも疑問に感じています。
2007/04/13(金) 21:38 | URL | mamarimama #-[ 編集]
コメントどうもありがとうございます。
なるほど、わたしはある意味自分の好きなように選択できるので気が楽といえば気が楽ですが、mamarimama さんのように英語をお教えになる仕事では、意図が伝わらない直訳か、文法的に説明できない意訳か、どちらを生徒に伝えるか、悩ましいところがおありになるのでしょうね。
2007/04/13(金) 23:35 | URL | たんご屋 #Qhkulfr2[ 編集]
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