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マニフェスト選挙だとかいっている。マニフェスト。英語にも manifest という語がある。形容詞としては「明らかな」という意味だし、個人的には会社員時代に「積荷目録」という意味でよく目にしたり耳にしたりした単語だ。でも、最近の選挙でいっているのはイタリア語 manifesto で「政権公約」という意味らしい。「政権公約」という日本のことばがあるのに、日本の政党やマスコミがなんでわざわざイタリア語から借りてきたことばを使うのかは知らない。

それはともかく、マニフェスト選挙だというのなら、有権者が各党のマニフェストを簡単に手に入れることができなければおかしいと思うのだが、どうも、そう簡単には手に入らないようだ。民主党の事務局に電話してどこで手に入るのかを聞いてみたら、はっきりとは答えてくれなかった。もしわたしがその電話に出た女性の立場だったら、自分の党に興味を持って電話してきてくれているのだから「ご郵送しますのでぜひごらんください」と答えると思うのだが。

一部の政党ではホームページから PDF ファイルとしてダウンロードできるようにしているらしい。しかし、当然ながらだれもがインターネットを使用しているわけではない。たとえば、田舎で漁師をしていてインターネットなど見たことも使ったこともないわたしの両親はどのようにして各党のマニフェストを見ることができるのか。そういうひとたちはおいてけぼりでよいと思っているのか。まあ、わたしの親はカタカナ語ということもあって「マニフェスト」って何よ、と思っているような気がするが。
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【今使うとかなり痛い!】ビジネス・IT用語

雑誌「SPA!」の記事らしい。「ウィンウィン」「ユビキタス」「コンプライアンス」「グローバルスタンダード」「IT革命」「勝ち組」「ヒルズ族」「ネットサーフィン」などの新語はすでに古くさくなって使うのが恥ずかしくなってしまった、というような内容のようだ。

こういう語は新語だろうけれど流行語といってよいのだろうか。個人的には、流行しているから使おうと思ったことはないし、流行していないからその語を使うのは恥ずかしいと思ったこともあまりないので、記者の感覚はちょっとわからない。

「ウィンウィン」「ユビキタス」「コンプライアンス」「グローバルスタンダード」は、それぞれ経済用語だったり技術用語だったりするものの、れっきとした英語(をカタカナ語にしたもの)だ。コンプライアンスは法令遵守、グローバルスタンダードは世界標準でいいじゃないとは思うけれども、ウィンウィンとユビキタスは同じことを日本語でいうのはむずかしいからカタカナ語になるのはしかたないと思う。ウィンウィンは、わたしもたまに会話で使う。

win-win [ADJ: ADJ n]
A win-win situation is one where you are certain to do well or be successful. 
(Collins Cobuild English Dictionary)

win-win adj.
双方の側が得する, 両者に満足の行く, 関係者全員にとって良い[有利な, 歓迎すべき]
(ビジネス技術実用英語大辞典第4版)


それより、この記事の「痛い」とか「腐る」とかいう語のほうがまさに流行語的だと思うけれど、それはよいのだろうか。
NHK の「Style up スタイルアップ」という番組を見た。どうやら、服飾、料理、家事などの専門家が「おしゃれな暮らし」のための助言をしている海外の人気番組を紹介するという内容の番組らしい。

「スタイルアップ」という語は初めて聞いた。同じ和製英語でも「スタミナアップ」とか「グレードアップ」なら聞いただけで意図されている意味を理解できるけれども、「スタイルアップ」という語は、それを聞いただけで意味を想像できるひとが少ないのではないか。わたしはたまたま番組を見たので意味を理解できたが、たとえば番組表に「スタイルアップ」とだけ書かれていたとしてそれを見たとしたら何の番組か想像できなかっただろう。

「アップ」の付くカタカナ語は多い。「マナーアップ」という語も最近知った。「作法向上」という意味だが、まだ耳慣れないからかどうもしっくりこない。

「実力をアップさせる」とか「給料がアップした」というような言いかたがむかしからある。だから、英語の「アップ(up)」は漢語の「向上」と同じだという認識があって、日本人は漢語を駆使して造語するのが得意なので、それと同じ乗りで「アップ」を使って造語しているのだと思う。たとえば、「体力向上」「生産性向上」「アクセス向上」は、それぞれ「体力アップ」「生産性アップ」「アクセスアップ」と言い換えられるし、むしろそのほうがよく使われているかもしれない。

「スタイルアップ」という語の意味がわかりにくいのは「アップ」のせいではなくて「スタイル」の部分があいまいだからかもしれない。NHK のひとは、より洗練された生活に変えることを何か「おしゃれ」に表現できないかと考えて「スタイルアップ」というカタカナ語を考え出したのだろう。しかし、日本人が「スタイル」と聞いて連想するのは「生活様式」ではなくて「体型」や車などの「型」のことだ。実際、「スタイルアップ」をググってみると、体型をよくするための衣類や器具の宣伝文句などによく使われているようだ。

それにしても、ふだんは日本語にうるさそうな NHK が、あえてこのような造語をするのがおもしろい。「素敵な生活入門」とか「おしゃれな暮らしへの招待」とかいう番組名だと、それ自体がおしゃれでないということなのだと思う。
「インフル」という略語をよく見るようになった。こんな略語はこれまでなかったと思う。だれか特定のひとが使い出して広まったのではなく、今回の新型インフルエンザ騒ぎの中で自然にできたような気がする。

「インフルエンザ」という語はたしかに長い。英語でもやっぱり長ったらしいらしくて flu と略すのがふつうだ。新聞の見出しなどではできるだけ文字数を少なくする必要があるので「インフル」という語を使っているのだと思うが、そういう目的なら「流感」のほうが短い。まあ、いまでは「流感」というと逆にわかりにくいのかもしれない。

この略しかたは、新聞で「アフガニスタン」を「アフガン」と略すのと似ているなあと思った。でも、この日本語の略語としての「アフガン」は、英語の Afghan とたまたま同じだからややこしい。英語の Afghan は「アフガニスタンの」とか「アフガニスタン人」というような意味なので、Afghanistan を Afghan というのは Germany を German というのと同じようなことになる。国名のつもりで外国のひとに「アフガン」というと話が混乱するかもしれない。

それにしても、インフルエンザを略すならインフルと略すのが当然とだれもが思っているらしいのがおもしろい。infrastructure は「インフラ」、sexual harassment は「セクハラ」、「なんとなく、クリスタル」は「ナンクリ」、木村拓哉は「キムタク」など、日本語の略語は何でも 2 拍になるようだ。日本で使われる漢語の多くが 2 拍だからだと大学生のとき先生に教わったことがあるが、本当だろうか。


追記:
流感とは流行性感冒(インフルエンザ)のことで、感冒とは風邪のこと。念のため。
「パンデミック」とか「フェーズ5」とかいうのは、それぞれ pandemic、phase という英語から来ている。pandemic の pan は panorama や Pan-American などの pan と同根で「すべて」という意味ではないかと思うが、違うかもしれない。違ったとしてもそう思っていれば覚えるのに役立ちそうだ。関係のありそうな英単語をまとめてみる。

pandemic:世界的(全地域的)大流行の/世界的(全地域的)流行病
endemic:地域固有の/風土病
epidemic:流行性の/流行病
outbreak:反乱/突発/大発生

「パンデミック」と「フェーズ」は、世界保健機関の「WHO global influenza preparedness plan (世界インフルエンザ事前対策計画)」の英語表現をそのままカタカナ語にしたもののようだ。それにしても、なんでまたそのままカタカナ語にしたのだろう。「世界的大流行」「段階5」ではいけない理由があるのだろうか。英語のまったくわからないわたしの両親などは「またわけのわからないことばをマスコミが使い出したよ」と思っているに違いない。まあ、なんでもカタカナにすればよいというのは翻訳者としてはありがたい。原語のままなんだから少なくとも誤訳といわれることはない。

さらにググってみると、昨年の NHK スペシャルで「パンデミック・フルー」というドラマを放送したらしい。「パンデミック」というカタカナ語はそのあたりから広まったのかもしれない。考えてみれば、「ワーキング・プア」という語も NHK スペシャルで知った。NHK は、そういう海外発祥の概念をカタカナ語にして広める役割を果しているのか。

だが、一方で NHK は「ゴールデンウィーク」とはいわず、かたくなに「大型連休」という語を使っている。海外発祥の概念ではなくて日本でできたカタカナ語だからなのだろうか。
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