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「聞く耳をもたない」という慣用句の意味を辞書で調べていたら、ある和英辞書に「聞く耳を持たなくなる」の訳語として become deaf と書いてあった。へえ、そういう言いかたがあるのか。で、Collins Cobuild English Dictionary を見ると

deaf
If you say that someone is deaf to people's requests, arguments, or criticisms, you are criticizing them because they refuse to pay attention to them.

とのことらしい。なるほど。

... you are criticizing them because ... というのがミソで、どうやら英語においてもこの表現は相手を非難するときに使うものであって、政治家が国民に対して使うような表現ではないようだ。

とはいうものの、これは悪い態度の比喩に聴覚障害者を使う表現なので、英語ではどうなのか知らないが、自分が英文を書くときにはどうも使いにくいと思う。こういうことをいいたいときは Cobuild のように refuse to pay attention とでも書くか、be indifferent to などを使ったほうがよさそうだ。
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くしなどの素材の鼈甲(べっこう)のことを tortoiseshell といい、鼈甲の原料であるウミガメ、タイマイのことを tortoiseshell turtle というらしい。タイマイのような代表的なウミガメは、英国と豪州では turtle、米国では sea turtle と呼ばれる種類だと思うが、なぜその加工品を tortoiseshell と呼ぶのだろう。そもそも鼈甲は日本独自のものなのだろうか。だとしたら、江戸時代に日本人が turtle と tortoise を区別せずに tortoise shell と訳して海外に輸出したということは考えられる。

鼈甲の「鼈」は実はスッポンのことらしい。タイマイは高級品だったので、ぜいたくが禁じられていた時代にスッポンの甲羅と言い逃れるためにこの字を使ったとのことだ(「長崎文化百選」べっ甲より)。であれば、淡水のカメであるスッポンの甲羅ということで tortoise shell と訳したのか。

で、スッポンはなんというかというと、これは辞書によっていろいろある。

a soft-shelled turtle (研究社和英中辞典)
snapping [mud, soft-shelled] turtle; a [an alligator] terrapin (研究社和英大辞典)
The terrapin; the mud-turtle; the snapping-turtle; the snapper(NEW斎藤和英大辞典)

というわけで、少なくとも辞書によれば、スッポンを tortoise と呼ぶことはないようだ。まる鍋をこれから食べようという外国のひとにスッポンのことを説明するには、soft-shelled turtle が、soft-shell crab みたいで、よさそうな気がする。snapping turtle や alligator terrapin は怖そうだし、mud-turtle は汚そうだ。

スッポンといえば思い浮かぶのは「月とすっぽん」という慣用句だ。これも調べてみた。
  • different as chalk from cheese
  • dollars to doughnuts (米)
などの言いかたがあるようだ。どちらの組み合わせも頭韻も踏んでいる。月とすっぽんにはどちらも丸いという共通点があって同じ丸いのに大きく違うということだと思うが、チョークとチーズも見た目がちょっと似ているかもしれない。

食用のカメといえば、香港の亀ゼリーは英語でなんと呼ばせていただろうか。香港の、それも亀ゼリーを喰わせる店が多い地域に住んでいたことがあるが、まったく覚えていない。ネットで調べてみたら、(Chinese) Herbal Turtle Jelly という当たり前でつまらない英語名だった。


関連記事:
カメについて
カメについて(2)
前の記事で、手がヒレ状のカメが turtle で、ガメラのような手に指や爪があるカメが tortoise ではないかといういいかげんな考えを書いてみたが、米国のマンガの Mutant Turtle には指があるようなのでやはりおかしい。

で、Wikipedea の tortoise の項 を見てみたら、英国英語、米国英語、豪州英語でのカメの呼び分けが書かれていた。それによれば、
  • 英国英語では、海に棲むカメが turtle、淡水または半塩水に棲むカメは terrapin、陸にいれば tortoise。
  • 米国英語では、淡水のカメや一部のリクガメを turtle と呼ぶ傾向があり、海洋に棲むカメは sea turtle と呼ぶ。tortoise という語は厳密にリクガメ科のカメにだけ使う。terrapin という名前はダイヤモンドテラピン(北米原産の淡水ガメ)にのみ使う。
  • 豪州英語では、海水および淡水のカメの両方を turtle と呼ぶが、陸生のカメは tortoise と呼ぶ。
ということらしい。なお、誤解を避けるために専門家などは chelonian という語をよく使うとのこと。これでやっとすっきりした。

まあ、同じ「鮎」という漢字が中国では「ナマズ」日本では「アユ」を指すのと同じようなもので、棲んでいる動物やよく見かける動物は国によって違うのだから、同じ語が違う動物を指すようになるのは当たり前なのだろう。


ところで、辞書を読んでいたら、舟とか自動車がひっくり返って上下逆さまになることを turn turtle ということを知った。深刻な事態を表す語なのに、カメがひっくり返っている姿を想像してしまう、おかしみのある表現だと思う。もっとも、slow as a snail とか cool as a cucumber のように、語呂のよさのためというか、韻を踏ませるために turtle という語が選ばれただけで、実物のカメとの関連はあまりないのかもしれない。

「甲羅」つながり、そして「ひっくり返り」つながりでいえば、なにかの折りに crab という単語を調べていて catch a crab という慣用句を見つけたことがある。ランダムハウス英語辞典によれば、つぎのような意味だ。

catch a crab
〈ボートのこぎ手が〉(オールを水に深く入れすぎて)こぎそこなう,(こぎそこねて)ひっくり返る


関連記事:
「カメ」について
カメはわたしの好きな動物の1つだ。ほかに好きな動物は、ゾウ、オランウータン、フクロウ、カマキリなど。みな、普段は動作が緩慢に見える動物というところが特徴か。ネコやウサギのような俊敏な動物はあまり好きではない。

NHK の朝の連続ドラマ「ウェルかめ」では主役の女性がカメを嫌いということになっている。カメを嫌いなひとってあまり聞いたことがないけれど、あれも爬虫類だからそういうひともまあいるのだろうなあ。でも、やはり同じ爬虫類のヘビやトカゲとくられべばあまり嫌われていないような気がする。日本や中国ではカメは特別な生物で、長生きするともいわれているし、甲羅を使って占いをしていた時代もあるし、なんといっても、「玄武」を象徴する動物でもある。

カメといえば、中学か高校のときに turtle がウミガメ、tortoise がリクガメだと覚えた。しかし、そう単純な話ではないようだ。ある辞書によれば、turtle というのはカメ全般を指すらしい。したがって、リクガメを turtle と呼んでも完全な間違いといえないのだろう。英国では turtle でウミガメを意味するらしいが、米国では sea turtle というらしい。つまり、turtle がウミガメのことではなくカメ全般を指すというのは、とくに米国で意識されている概念なのかもしれない。

tortoise はリクガメおよび淡水のカメを指すと書かれている辞書がある。なるほど、わたしもそのあたりの池でよく見るカメは tortoise なんだろうなとなんとなく思っていた。しかし、lake turtle とか river turtle とかいう語もある。ということは、カメ全般を turtle と呼ぶという話は措いておくとして、淡水のカメならなんでも tortoise と呼べばすむということではないようだ。もっとも、lake tortoise とか river tortoise という言いかたもないわけではないようだが。

これは辞書を見たかぎりでは見つからない説明なのだが、個人的には、手がヒレのようになっているカメが turtle、そうではなくて手に指や爪があるカメが tortoise と呼ばれているのではないのかなあと思っている。
ゆえあって、京都のホテルに滞在している。そのホテルの部屋のトイレに貼ってある注意書きに、次のような英文が書かれていた。

When you sit on the seat, automatically the cold water flow. Wait for the "off" the lamp to wash.

これは、いったいぜんたい?
トイレに座っているときというのは頭は暇なものだ。そこで、その暇な頭を使ってどういう意味なのかよくよく考えてみた。が、残念ながら、わたしにはよく意味がわからなかった。もしかしたら、わたしが日本人だからわからないだけで、英語ネイティブならよく理解できるというたぐいの文章なのだろうか。

最初の when 節はいいとして、主節の flow は名詞のつもりなのか動詞のつもりなのか。名詞だとすると文として成立していないが、動詞だとしたら、なぜ三単現の s がついていないのだろう。the cold water というのも、どの cold water のことかと問いたくなる。2 つ目の文は、著者の意図を想像することもできなかった。
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