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テレビ棋戦で若手女流棋士の山口恵梨子初段が聞き手をやっていた。高校生を卒業したばかりの非常に若い棋士で、将棋マスコミにもそれほどよく登場するわけでもないひとなので、失礼ながら何だかちょっと気の抜けた話し方をするひとだな、という印象しかなかった。

しかし、その放送を見て、ベテラン棋士の森九段が若いころに名人に剃髪して挑戦したことや、森九段の得意戦法が中飛車であることなどをよく知っていることに感心した。彼女の年齢を考えれば、本か何かで勉強しなければ知り得ないことだ。

プロなんだから当たり前のようでもあるが意外にそうでもない。これまでテレビ棋戦を見ていて、小林九段がかつて居飛車党だったことや福崎九段が振り飛車穴熊で一世を風靡したことを知らないらしい聞き手の女流棋士にあきれたことがある。テレビ棋戦の聞き手というのは突然やらされる仕事ではないはずだから、対局者の棋風にしても得意戦法にしても過去の活躍にしても、あらかじめ調べておくことができるはずなのに、まったく調べないで出演している女流棋士もいらっしゃるようだ。

山口さんは当然とはいえきちんと情報を仕入れた上で聞き手をなさっているのは立派だったと思うし、将棋という伝統文化をになっているという自覚を十分にお持ちなのだろうと思う。ぜひ活躍してもらいたいと思った。
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将棋:第67期名人戦 羽生名人が防衛 郷田九段に4勝3敗--通算6期

昨夜、羽生さんが名人位を防衛した。最終局(第7局)は一方的な展開になって全7局でいちばん短い手数で終了した。挑戦者郷田は、得意の終盤の競り合いにならないので途中であきらめてしまったという感じだった。

今回で2回目の挑戦だった郷田はまたしても名人獲得を逃したが、これまで、名人位に複数回挑戦したことのあるほとんどの棋士は一度は名人になっている。例外は3回挑戦したものの一度も名人位に就くことのなかった二上九段(羽生の師匠)だけだ。郷田もいずれ名人位を獲る可能性が高いと思う。

それにしても、羽生の通算タイトル獲得数が合計73にもなっているというのには驚いた。これまでの最多獲得者は大山康晴で80。大山の時代とはタイトルの数が違うとはいえ、69歳で亡くなるまでA級棋士で居続けた大山の記録は羽生をもってしても抜くのはむずかしいのではと思っていたが、あと8つだからこのままいけばあと2年ほどで抜いてしまうことになる。羽生が2年後にタイトルをまったく獲れなくなっているというは考えにくい。ほぼ確実といってよいだろう。やはりとんでもないひとだった。
北尾まどかがフリー女流棋士に 初のケース

将棋名人戦第四局二日目が始まったばかりだが、LPSA(日本女子プロ将棋協会)所属の北尾まどかさん(「どうぶつしょうぎ」の考案者)が退会してフリーランスになるというニュースを知った。江戸時代や明治時代ならいざ知らず、現在のようなプロ制度になってからは男性棋士でもフリーランスの将棋指しというのはいないと思う。思い切ったことをするものだ。同じフリーランスとしては、ぜひがんばってほしい。

しかし、彼女がフリーランス棋士として棋戦に参加できるということになると、林葉さんや高橋和さんなどの退会(引退)した棋士や、笠井さんなどの有力アマチュア棋客との違いがわからなくなる。まあ、もともと現在の女流棋士という地位があいまいということはある。将棋界に興味のないひとには意外なことだろうが、男性棋士の基準でいえばプロ棋士になれない棋力の女性が、女性専用に用意されたトーナメント(棋戦)に参加しているというのが女流棋士といわれる職業の実情だ。特定の団体に所属している棋士だけが棋戦に参加できるというのは単なる既得権益に過ぎない。女流棋戦はすべてアマプロオープン戦にすべきなのかもしれない。
瀬川四段が昇級 プロ4年目で悲願達成

数年前に会社員からプロの将棋指しに転身した瀬川さんが、定められた成績を上げて、名人挑戦者を決めるためのリーグ戦の最下位クラスに参加できるようになったそうだ。

瀬川さんは、収入の安定した会社員から収入が不安定で身分の保証されない職業に飛び込んだという点で、やはり会社員からフリーランスの翻訳者になった自分と重なって見える。ぜひ活躍していただきたい。


追記:
瀬川さんご本人のブログに、この件についての投稿があった。
瀬川晶司のシャララ日記
昨年 12 月に情熱大陸というドキュメンタリ番組で渡辺明と羽生善治の将棋竜王戦のことが取り上げられた。民放の番組で将棋が取り上げられるのはめずらしいので録画した番組を楽しみにして見てみたら内容があまりにひどいのでおどろいた。

テーマであるはずの竜王戦とはまるで関係のない話が唐突に入ってくる。たとえば、将棋好きのテレビタレントが子どもに将棋を教えているところ。竜王戦となんの関係もない。もっとひどいのは某有名野球監督へのインタビュー。長嶋茂雄さんなら将棋好き、羽生さん好きで知られているが、その監督が将棋に興味があるとはあまり聞いたことがないし、インタビューの内容を聞いても将棋のことに詳しいとは思えなかった。なぜこの番組でそういうひとへのインタビューを放送しなければならんのか。わけがわからない。

渡辺竜王や羽生名人に対するインタビューは、さらにひどかった。今回の竜王戦では渡辺竜王が当初 3 連敗したのだが、渡辺竜王はふがいない自分によほど腹が立ったのか、3 連敗目を喫した後、対局場に泊まらずに最終の新幹線で東京に帰ったらしい。びっくりしたのは、用意されていた宿に泊まらず敗戦のくやしさをかみしめて自宅に帰ろうとしてホームに立つ竜王に取材者が能天気な質問をして返答を求めたことだ。また対局の進行中に両対局者にインタビューをするという信じられない行為もあった。そして、番組の最後に、竜王戦終了 3 日後に敗者の羽生さんを呼び出して「どうして負けたと思いますか」「渡辺さんはどうして勝ったと思いますか」という、非常に失礼な質問をしていた。

番組制作者が将棋や将棋指しに対して興味も敬意ももっていないということはよくわかった。そういえば、むかし、ゴルフの石川遼さんの試合中に、ヘリコプタを飛ばしたり、別の選手に録音装置を持たせて試合中の音声を録ろうとしたりしたのも TBS 系列のニュースだったか。

ときどき見るフィギュアスケートの試合の中継でも、肝心の競技を見せずに、素人のタレントや有名人にコメントさせたり有名選手の日常生活を紹介したりする。いったい、あんなふうな構成をだれが喜ぶと思っているのだろう。そういったことを想い出した。競技の内容やその価値を理解できず扇情的で短絡的なことしか考えられないというところが今回と似ている。

スポーツはその内容にこそ価値があるのだから、そのまま放送してくれればよい。そうしてくれないということは、番組制作者自体がスポーツのコンテンツとしての価値を信用していないということだろう。

今回の番組も、「将棋なんてもの、そのままのすがたを見せてもだれも興味をもってくれないよなあ。有名な野球監督やタレントでも出そうか。対局者にはちょっと煽るような過激な質問をしてみよう。なに、どうせ、たかが将棋じゃないか」と思って制作されたのではないかと思う。

文化を伝える仕事をするはずのひとが、文化というものをいちばん理解できていないようだ。


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