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大学の同窓に仲のよい米国人留学生がいた。彼はもともと chess(西洋将棋)の好きなひとで日本将棋にも興味をもち、日本将棋連盟の主催する外国人将棋大会にも出たことがある。わたしはそのころから日本将棋を趣味としており、それが縁で親しくなった。東京千駄ヶ谷の将棋会館やデパートの将棋まつりによくいっしょに行ったものである。

考えてみれば彼と日本将棋を指したことはないのだが、将棋会館の近くにあった「白馬」という喫茶店でチェスを指したことはある。かなり手を抜いてくれたが最後はきれいに負かされた。

彼は日本語が堪能で、わたしとの会話は常に日本語だった。あるとき、中央線の駅のホームで
「どうしたら君みたいに外国語を上手にしゃべれるようになるの」
と聞いたことがある。

彼はしばらく考えていたが、次のように言った。
あのね、テレビとか見ていて○○ということばが出てきたとするでしょう。そうしたら、そのことばのことをずっと考えているのですよ。○○ってなんだろう、とずっと何日も気にするんですよ
○○の部分は何か具体的なことばを言ったのだが何だったかは忘れてしまった。

彼の言ったことはわかる気がする。わたしも数少ないがそういうふうに覚えた英語表現があったと思う。とてもふしぎなことに、そのように気にしていると数日のうちにまたその英語表現に出会うものなのである。そうして、ああ、そういう意味なのか、とわかる。そういうふうに覚えた英語表現はなかなか忘れないような気がする。

これは、子どもが母語の語彙を増やしていく過程と似ているのかもしれない。子どもは辞書や単語集で母語を学習するわけではない。母親や近所のおじさんが言ったことばを「あれはどういう意味だろう」とずっと気にしていて、どこかでそのことばをまた聞いたりすることで意味を理解して自分でも使えるようになるということはよくあることだろうし、自然な覚えかたのような気がする。
コメント
この記事へのコメント
えー、なるほど。やみくもに辞書引けばいいってもんじゃないんですね。確かに、辞書引けばその場で意味はわかりますが、けっして使えません。今習っている先生は、とにかく、例文を自分ですらすらいえるようでないとその単語を知っていることにはならない、というのが口癖です。今私が気になっているのはprivilegeという単語。響きが好きで、特に敬意表現では欠かせないですよね。お勧めの表現あったら教えてください!
2007/07/02(月) 22:36 | URL | さんでぃ #-[ 編集]
わたしは辞書を引くのは好きですけれど、そのとき彼がいったのは辞書に載っているような語ではありませんでした。日本で生活していれば辞書に載っていないようなことばに出くわすことも多いだろうと思います。とくにテレビは辞書ではわからない語や表現をたくさん使っていると思います。
privilege ですか。わたしに聞かれても困ります。最近のコンピュータ関係の文書にはよく出てくる単語ですけれど、それ以上のことはわかりません。
2007/07/02(月) 22:53 | URL | たんご屋 #Qhkulfr2[ 編集]
「こだわり」シリーズ連載とても勉強になりました。ほんとうにありがとうございます。暗記式ではまったく覚えられない身なのですがこちらのエントリを読みすごく励ましを頂いた気分です。
2007/07/03(火) 00:09 | URL | のら #-[ 編集]
単語は本当に覚えられないんですよねー。そういう風に覚えるんですか?今度やってみます。自分の場合は、テレビを見て分からない言葉があると、すぐに電子辞書をつかってしまいます。いまだに、電子辞書っていいのか悪いのかよくわかりません。一時期、使用するのをやめて、ペーパー辞書に戻しましたが、結果は同じ。また電子辞書に…。これは単なる頭の問題だなと、あきらめて繰り返し引くことにしてますが。。。
2007/07/03(火) 04:30 | URL | かっぱ #-[ 編集]
ここ数日「こだわり」にこだわっていて、この留学生のことを思い出しました。
今読んでいる脳に関する本に、生きるために必要なことはよく記憶されるということが書いてあります。何かを覚えなければならないときは、生きるためにその情報が必要なのだと脳をだますとよいそうです。
この学生の方法は、ある情報にずっとこだわる続けるわけですから、生きるために必要な情報に違いないと脳がだまされるのかもしれませんね。
2007/07/03(火) 05:39 | URL | たんご屋 #Qhkulfr2[ 編集]
この方法を教わったことはよく覚えていますが、あまり自分では実践していません。たまたまそうなって覚えたということはありますけれど。
わたしは携帯型の電子辞書をもっていません。むかし欲しいと思ったことがありますが、高くて買えず、けっきょく今日に至っています。いまとなっては要らないですね。パソコンに入れた電子辞書で間に合いますから。
2007/07/03(火) 05:43 | URL | たんご屋 #Qhkulfr2[ 編集]
私は電子辞書が手放せません。英語の専門家ではないので、まずは辞書に相談しますが、勤め人ということもあり、落ち着いた場所で辞書を引くことはなかなかできません。

その代わりといっては何ですが、外出するときは必ず携帯します。駅前の店にちょっと買い物に行くときも、ふと疑問が湧けば、路上で電子辞書で確かめます。外国人と話している最中にも堂々と引くことがあります(相手に断ってからですが)。

といっても、辞書でおかしいと思った点を自分のブログに書いているように、辞書は万能とも思っていません。

私は昔から、学習法やツールを排他的には考えないほうで、単語集も使えば活字や音からも学ぶ、辞書も引けばネイティブにも質問する、電子辞書も使えば紙の辞書も愛用する、という感じでやってきました。人それぞれだと思いますが、少なくとも私にとっては、相互補完的なもので、相乗効果があったと信じたいです。
2007/07/04(水) 00:09 | URL | 子守男 #SHLDkvn6[ 編集]
子守男さんほど高い英語運用力をお持ちなら日常会話などでは辞書を引かずに済ますこともおできになるのでしょうけれど。まあ、ことばって疑問を持ち始めたらきりがありませんから、ちょっとしたことでも辞書を引いて確認したくなるというのはよくわかります。
わたしは外出すること自体が少ないのですが、外出するときは GEM という豆辞書をもっていきます。電子辞書は、USB か何かでパソコンからも利用できるような仕様にしたらよいのにと思います。単体でしか使用できないのなら、わたしにとって今でも費用対効果の悪い製品ですね。
自分の翻訳の仕事では簡単な単語や表現であっても頻繁に辞書(パソコンの電子辞書)を引いています。意味がわかるということと訳文を作るということは別のことですから。辞書のとおりに訳せることは少ないにせよ、いろいろな辞書の語義を見てみることが訳文の表現を思いつくためのヒントになります。
わたしのような仕事では辞書を引いたりネットで調べたりして適切な訳文を作ればよいだけなのですが、最初にコメントをくださったさんでぃさんのような通訳ガイドでは辞書を引いているひまはありませんから辞書を引かずに外国語をすんなり理解したり表現したりすることが決定的に大切なのでしょうね。あれは高い外国語運用力が必要なお仕事なのだろうなと思います。同じ英語を使う仕事といってもひとによって要件もレベルもまったく違うのだろうなあと思います。
2007/07/04(水) 07:41 | URL | たんご屋 #Qhkulfr2[ 編集]
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いつもなら何か関心事があると一晩寝かし(sleep on it)それからブログを書き始めるのですが、アルクブログは明日日中書き込みができないらしい。それなら明日早朝か夜書けばよい話なのですが書きたいと思ったときに書かないとこのところの自分ペース
2007/07/02(月) 23:57:24 | のら・のろのろ日記
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