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囲碁の大物棋士に藤沢秀行というひとがいる。もとはひでゆきと読むらしいが一般にはシュウコウさんとして知られている。NHK の番組でも藤沢シュウコウ名誉棋聖と読んでいたと思う。

棋界ではこういうふうに訓読みの名前を音読みにして呼ぶことがたまにある。近代将棋社の元社長、永井英明(ひであき)さんはエイメイさん、元アマチュア名人の小池重明(しげあき)さんはジュウメイさんという呼びかたでよく知られていると思う。また、将棋の名棋士である故森安秀光(ひでみつ)さんは、仲間うちではシュウコウさんと呼ばれていたようだ。もっとも、これは藤沢シュウコウさんをまねたのかもしれない。

このようなことは、安部公房(本名はきみふさ)さん、開高健(たぶん本名はたけし)さんなど、有名人によくあることのようである。名前ではないが、土井晩翠(元の姓はつちい)さんという例もある。

ずっと昔のひとだと、藤原定家という歌人のことを思い出す。わたしは、子どものころこの人の名前を「ふじわらのさだいえ」だと思っていた。中学だか高校になってから「ふじわらのていか」というかなが振ってあるのを見て「へえ、ていかというのか。変わっているな」と思った。

こういうふうに偉いひとを音読みで読むのは、字(あざな)の影響なのだろうか。字とは本名の代わりに呼ぶために別の名前を使うという中国の習慣で、諸葛孔明(本名は諸葛亮)の孔明、白楽天(本名は白居易)の楽天などが有名である。日本でも、むかしの儒学者はそれをまねて本名以外に字をもっていた。字はとうぜん音読みだから、訓読みの名前を音読みで読むことで字であるかのように聞こえる、つまり偉い儒学者のように聞こえるのだろうか。

ここまでの内容をきょうの記事にしようと思っていたのだが、このような音読みでの読みかたは「字」とは関係がなく、「有職読み」というらしいということをさきほど Wikipedia で知った。Wikipedia によれば、藤原定家は、やはりふじわらのさだいえが正式らしい。なんだ、けっきょくわたしが子どものときに思っていた読みかたでよかったのじゃないか。有識読みの例としてほかに伊藤博文などが挙げられていた。たしかに、イトウハクブンとも読むな。
コメント
この記事へのコメント
先日たんご屋さんがお書きになった「エントリ」に触発された記事を自分のブログに書いてみました。私は文系のせいか長音表記の「-」は省かないほうなので、たんご屋さんのお考えとは異なると思いますが、ご批評をいただけましたらうれしいです。
2007/08/13(月) 23:32 | URL | 子守男 #SHLDkvn6[ 編集]
さだいえ→ていか、は、敬意の表れだったのか… 面白いですね。“人の実名を直接口にすることを忌む風俗”というのも、アジアっぽくて良い感じですv-22

たしか作家の辻仁成さんは、作家の時は「ひとなり」さん、ロッカーの時は「じんせい」さんと自ら呼び分けていますよね~。(あんまり関係ないですが)
2007/08/14(火) 08:28 | URL | すー #-[ 編集]
ありがとうございます。
長音については、むかし書いたことがあります。ご参考まで。
http://tangoya.blog95.fc2.com/blog-entry-15.html

わたしは仕事のときに取引先の指示で長音符号をあまり使わないで日本語を書かされていることが多いので、それがくせになっています。「コンピューター」のような長音符号付きの表記はなんだか気持ち悪く感じるようになってしまいました。
2007/08/14(火) 09:06 | URL | たんご屋 #Qhkulfr2[ 編集]
そうですよね。考えてみれば、字(あざな)も「人の実名を直接口にすることを忌む」という意味の名前ですよね。だから、まったく無関係ではないかもしれませんね。
2007/08/14(火) 09:17 | URL | たんご屋 #Qhkulfr2[ 編集]
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