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「ふたつよいことさてないものよ」というのは、ひとつよいことがあれば、ひとつ悪いことがあるとも考えられる、ということだ。抜擢されたときは同僚の妬みを買うだろう、宝くじに当たるとたかりにくるのが居るはずだ。世の中なかなかうまくできていて、よくことずくめにならないように仕組まれている。
(河合隼雄「こころの処方箋」より)


たとえば、難関学校の入学試験に合格するというような傍目にはよいことのように見えることでも、何十年もしたら「あのときあの学校に合格しさえしなければ」と思うこともあるにちがいない。そのように思うのは本人だけとはかぎらない。他人から見ても「あのひとも東大に行ったりさえしなければ、いまごろ家業を継いで平和に暮らしていただろうにねえ」と残念に思われることもあるだろう。

試験に合格することがよいこととはかぎらないというのは、自分の子が合格すればうれしくても、となりの子が合格して自分の子が不合格になれば腹立たしいということを考えてもわかる。つまり、自分や自分の家族にとってはよいことであっても他のひとにとってはよいことではない場合もあるというわけだ。

何年も前に会社を辞めて自由業になった。通勤がないのはよいことだ。反面、経済的に安定せず、社会的信用が得られないという悪いところもある。もっとも、それは恣意的に悪く書いてみたのであって、経済的に安定しないというのは、経済的価値のみにとらわれずに生きているともいえるし、社会的信用が得られないというのは社会的な立場や身分から自由な立場にあるともいえる。

武士は食わねど高楊枝、というわけにはいかないけれど、ほとんどのことは、悪く考えようと思えば悪く考えることができるし前向きに考えようとすれば前向きに考えられるものだろう。これからのことならともかく、もう済んでしまったことを悪く評価しないようにしようと思っている。


追記:
何かの試験に落ちて悲嘆に暮れているひとを見ると、その試験に合格しなくてかえってよかったのかもしれないよといってやりたくなる。無責任で冷たい言いかただとはわかっているがこちらは本気でそう思っている。実際にそう言ってしまって、悲しんでいる相手に怒りの感情まで加えさせてしまったことがある(笑)。やはり、心理療法家でない人間はめったなことをいわないほうがよい。
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