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昨日のことだが、現在行われている第 20 期竜王戦のテレビ中継を見たら、アナウンサが
「(先手は)この 59 角を打つのに 1 時間以上考えていましたが…」
といっていた。

その局面までの進行を知らなかったわたしは、59 角と打ったのか、とおどろいた。盤面を見るかぎりとてもそうとは思えなかったからだ。少し後になって、アナウンサが単に「指す」と「打つ」を間違えたということがわかった。将棋では、ある手を「指す」ことと「打つ」ことでは意味が違う。

わたしは将棋が趣味なので「指す」といういいかたを当たり前のものとして使ってきた。なぜ将棋は「指す」というのか考えたことがなかった。いま考えてみると、囲碁では盤面に石を置いて(打ちつけて)いくのに対し、将棋はあらかじめ盤上に置いてある駒を滑らすように移動させるから「指す」なのだろう。

むかしの将棋は、いまのかたちのものも、中将棋、大将棋などといわれる古風な将棋でも、駒がいったん盤上からなくなればそれを再利用することのないルール(取り捨て)だったという。ちなみに、日本将棋以外の世界の将棋(チェス、中国象棋など)はすべて「取り捨て」ルールである。それであれば、駒は、いってみれば双六のように、盤面を移動して使用されるだけである。だから、「前に移動させる」という「指す」を使ったのだと思う。

いまの将棋には「持ち駒」というルールがあり、相手の駒を自分側の駒として、囲碁の石と同じように、盤外から持ってきて「打ちつける」ことがある。実は、この場合は将棋でも「打つ」という。つまり、「59 角と指す」は「盤上の他の位置から 59 の位置に角を移動する」という意味で、「59 角と打つ」は「盤外から持ち駒の角を 59 の位置に打ちつける」という意味になる。だから、将棋では「打つ」と区別するために「指す」ということばがどうしても必要になっている。

「そうか、将棋で『指す』ということばをいまでも使っている理由はこれだったのか」と気がついた。長年将棋を指していて、これまで気がつかなかったとはわれながら間抜けだ。


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コメント
この記事へのコメント
タイトルだけ見たとき、駒が「兵隊」で、指図を受ける立場だから・・・かと想像しましたが、そういう話ではなかったんですね。手持ちの駒を「打つ」と盤面の駒を移動させる「指す」との違いは、私も意外でした。
2007/11/29(木) 17:49 | URL | Applecheese #xbh23Phc[ 編集]
指図とは関係ないだろうと思いますね。本当のところはわかりませんけれど。むかしの本では「差す」と書くこともあるのですが、「日が差す」とか「棹を差す」と似たような、何というか、何かを前に伸ばしたりするような、そういうイメージでわたしは使っています。
2007/11/29(木) 21:33 | URL | たんご屋 #Qhkulfr2[ 編集]
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