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故桂枝雀さんの DVD の付録で、お弟子さんの桂九雀さんが枝雀師匠の「英語落語」の想い出話をなさっている。

枝雀師匠はもともと英語が好きで英会話学校に通っていた。スキットで勉強するのが嫌いだったので、落語を英語に直して話すというユニークな勉強方法で英会話を習っていたそうだ。

その後、英会話学校の先生や生徒さんたちといっしょに米国に旅行に行ったときに、その英会話学校で教えていた先生でそのときは帰国していた Anne Grab さんというかたをペンシルバニア州のご自宅に訪ねたらしい。

すると、Anne さんは枝雀師匠に「村民の前で落語をやってほしい」と急に頼んできたそうだ。枝雀師匠は「わかりました、やってみましょう」と、マットレスを重ねた上にシーツを敷いたものを急拵えの高座にして、トラクターのヘッドライトの中で英語落語、SUMMER DOCTOR(夏の医者)の一席を務めたらしい。

枝雀師匠のことをまるで知らない、最初はやや引き気味だった村民が、数分のうちに話に引き込まれていって、どかん、どかんと受け始めたという。桂九雀さんは、謙遜もあるかもしれないが、「自分が日本で日本語で話してもあんなに受けないだろう、師匠は本当にすごい」という主旨のことをおっしゃっている。

一席終わると、観客の子どもたちが行列をつくってサインを求めてきたそうだ。落語というものを初めて聞く相手、しかも育った文化の違うひとたちに自分の芸を伝えて評価してもらったというのは芸人冥利につきることで、枝雀師匠、うれしかっただろう。師匠にとって人生最良の日のひとつだったのではないかと思う。それが初めての英語落語の高座で、それ以降、日本や世界各地で英語落語の高座を打つようになったそうだ。

枝雀師匠が英語落語というものをやっていらっしゃったことは知っていたが、そんなにおもしろいものなのかとびっくりして、ぜひ聞いてみたいと思い、「枝雀英語落語」という CD を手に入れて聞いてみた。

実際に聞いてみてどうだったかというと、もちろん語っているのは枝雀師匠なわけだから当然ながら聞いているだけでおもしろい。しかし、師匠の英語は格別流暢でもないし、むずかしい内容のことは話していない。街の英会話教室なら上級クラスではなくて中級クラスの生徒さんという感じではないだろうか。そうか、こういう英語でも、枝雀師匠のように筋の通ったことを感情をこめて話せば十分に相手に話を伝えて感動させることができるのだなあと感心した。
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