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理科系のための英文作法
―文章をなめらかにつなぐ四つの法則―
杉原厚吉 中央公論新社 1994年11月

「理科系のための」と銘打っているとおり、流麗な英文を書くための技術ではなく、誤解されにくい英文を書くための技術についての本である。

著者が重視している文章の特性は、文と文とのつながりのよさ、意味の入れ子構造の正しさ、記憶に対する負担の少なさなどである。理科系のひとらしく、そういう特性を確保するための具体的な技術を仮説として提示し、それを守ることによって、誤読される可能性の低い「安全な」文章を書けるとしている。「安全」を目指すというのが、この本の重要な方針になっている。

たとえば、英文で、文全体を修飾する副詞や副詞句は、文頭、文中、文末のどこに置いてもよいかのように習う。少なくとも学校では、次の 3 つの文はすべて同じと教わるはずだ。

However, his method proved to be effective.
His method, however, proved to be effective.
His method proved to be effective, however.

これらはわたしがいま適当に作った文で、however は一例として使った。nevertheless、naturally、therefore、hence、accordingly のような文を修飾する副詞や as a result とか in spite of that のような副詞句であれば、どれでも同じことがいえる。

英文を書くとき、このような副詞や副詞句を置く場所はどういう指針にしたがって決めたらよいか疑問に思ったり、これでよいのだろうかと不安になったりしたことはないだろうか。この「理科系のための英文作法」には、そういうとき副詞(句、節)をどこに置けばよいかについて明快で説得力のある指針が書かれていて、たいへん勉強になった。もちろん、他の場所に置いたとしても間違いになるわけではないが、著者のすすめる場所に置くのが「安全」ということである。

それ以外にも、「古い情報を前に」とか「視点をむやみに移動しない」とか、日本語を書くときにも応用できる有用な法則が書かれている。おすすめの本である。


追記:
ちなみに、以前読んだある本には、however を文中に挿入すると「かっこよい」とか、英語ネイティブに一目置かれるなどというふざけたことが書いてあった。かっこよく見せるために英語を書いているのではない。


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