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理科系のための英文作法』という本に、「英作文では古い(既知の)情報を前に書け」という指南がある。おもしろいと思うのでご紹介する。たとえば、次のような文があるとする。

(1) I bought a pen. I gave a woman the pen.
(2) I bought a pen. I gave it (the pen) to a woman.

英語ノンネイティブのわたしでさえ(1)はなんだか奇異に感じる。なぜ(2)のほうが自然に感じるかというと、既知の情報(it/the pen)を先に書いて未知の情報(a woman)を後で書いているからだという。

次の場合はどうか。

(3) I have a sister. I gave her a pen.
(4) I have a sister. I gave a pen to her.

この場合は、(3)のほうがより自然だと思うが(4)でもおかしくない。(4)では未知の情報(a pen)が既知の情報(her/my sister)よりも先に書かれているのになぜ自然に感じるかというと、give という動詞はこのかたちが基本だからだそうだ。

もちろん、give は単なる例で、直接目的語と間接目的語の順のことだけをいっているのではない。同様の理屈でいえば、次のような例でも、(6)のほうが自然だ。

(5) Japan is a small country. Four major islands make up the country.
(6) Japan is a small country. The country consists of four major islands.

なお、実際にはこんなに同じ単語を繰り返してブツ切りに文を並べることはないと思うが、考えかたを示すためということでご理解いただきたい。


同じ理屈を使って、日本語で主部を含めた述部に対する修飾語の順番をどうすればよいかということを考えてみる。

(7) ペンを買ってきた。そしてある女性にそのペンをあげた。
(8) ペンを買ってきた。そしてそのペンをある女性にあげた。

こうしてみると、英語の場合と同じように(8)のほうがやや自然ではなかろうか。

(9) わたしにはがいる。その妹に 1 本のペンをあげた。
(10) わたしにはがいる。1 本のペンをその妹にあげた。

こちらの例のほうが違いが顕著なような気がする。(10)の文はなんだか変だ。

日本語で修飾語を並べる順番については、「長い修飾語を前に出し、長い順に並べる」ということがよくいわれるが、このように既知から未知の順に並べるという考えかたもおもしろいと思う。


関連記事:
理科系のための英文作法
コメント
この記事へのコメント
英語も日本語も得意ではありませんので、
なるほど・・・と読ませていただきました。
日本語は一応、ネイティブですが、
しかも文章を書く仕事をしていたりもしますが、
恥ずかしながら、「長い修飾語を前に出し、長い順に並べる」
なんて法則も知りませんでした。

で、例文の(9)(10)について、ちょっと考えてみたのですが、
たんご屋さんのおっしゃる通り、確かに(10)の文には違和感があります。
が、例えばこんな風に色付けするとどうでしょうか。

わたしには妹がいる。ある日わたしは、1本のペンをその妹にあげた。

前述の通り、英語はからっきしですので難しいことはわかりませんが、
a や the を、「1」や「その」と訳すと、
それだけで日本語では不自然なこともありますから、
この場合も「1本の」には多少違和感がありますが、
「ある日」を加えると、(10)の語順でもあまり違和感がないような。

あ、でもこれは、「ある日」を加えたことで、
「長い順に並べる」の法則で前に出てきて然るべき、なのでしょうか。
2008/03/13(木) 20:21 | URL | sanmonbunshi #-[ 編集]
「色」というのは文脈ということですね。文脈が変わればもちろん結論は変わります。
この記事は考えかたをわかりやすく示すためにできるだけ色のない例文を考えたわけで、特定の文脈を想定するなら(10)の文章だって変ではないはずですよ。
実際の執筆や翻訳には文脈が必ずありますから、この記事で書いた例のように簡単に判断することはできません。そこがむずかしいところであり、おもしろいところでもありますよね。
2008/03/13(木) 21:27 | URL | たんご屋 #Qhkulfr2[ 編集]
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