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ベテラン(veteran)のもともとの意味が「退役軍人」であるように、ボランティア(volunteer)の本来の意味は「志願兵」だと思っていたのだが、確認しようと思って wikipedia を見たらラテン語で will (意思)という意味の語からきたと書いてあった。ついでに veteran も調べたら、ラテン語の「古い」という意味の語からきた語のようだ。

なぜ間違って覚えていたのか、いまとなってはわからない。ただ、volunteer に志願兵、veteran に退役軍人の意味があることは間違いではない。とくに veteran は、日本語のベテランとは違って、退役軍人の意味で使われることが多い。

カタカナ語の「ボランティア」は仕事を無償でやるという意味だ。わたしも少しだけボランティアの経験がある。会社を辞めてから数年経ったころ、せっかく居職になったので何か会社勤めではできないことをやろうと思って、通所リハビリテーション施設の利用者の遊び相手をやった。遊び相手だから時間さえあればよいという何の専門性も要らない仕事だった。そのときはそういう仕事だったからまだしもだが、本来お金をもらうべき仕事を無償でやるのはよくないことだと思う。

翻訳はボランティアの多い仕事だ。正直なところ、裕福で優秀なひとに無報酬で翻訳をされてしまうとわたしたちのように翻訳で口を糊するものは困ってしまう。職業翻訳者の仕事が減るということもあるし、ボランティアというのは最大の不当廉売なのだから、職業翻訳者の請け負う仕事の相場が下がるということもある。

何年か前、東南アジアのホテルにある日本語の説明書きが間違いだらけだったので日本に帰ってから説明書きを正しく書いてそれをファックスで送ってあげたという記事をブログに書いていたひとがいた。悪気がないのはわかっているが、現地の翻訳会社あるいは翻訳者の商売の邪魔をしていることになるのは明らかだ。そういうことをするのならちゃんとお金を取ってやってほしいと思う。

日本語教師も似たような状況らしい。日本語教師をやっている知り合いがいるが、収入があまりにも少ないそうだ。その知り合いは日本語教師になるために教育機関でしっかりとした教育を受けており、日本語や言語全般の知識も豊富なひとだ。そういうひとが正当な報酬を得られないのは残念なことだ。

けっきょく、翻訳も日本語教師も、稼ぐ必要のない主婦とかお金を貯め込んだ定年退職者がボランティアでやる程度の仕事と思われている、つまり、専門職として認識されていないのだと思う。翻訳の場合は外国語ができればだれでもできる、日本語教師の場合は日本人ならだれでもできると思われているようなところがある。実際は、そんなわけないのだが。
コメント
この記事へのコメント
私はガイドと通訳のプロとボランティアなら比較できますが、見たところ全く違います。プロの方は、さすがお金をとるだけのことはある、という印象です。ただ、みんながみんな、そう思ってくれるとはかぎらないし、「まあ、そこそこのレベルでいいんだよね」ってことになると、わざわざプロでなくとも…となりますよね、実際。翻訳や日本語教師もそうなんですねえ。
2008/10/29(水) 22:45 | URL | さんでぃ #-[ 編集]
なるほど。ことばを扱う仕事は、それだけ、どうでもよいことと認識されているということなのでしょう。医者や操縦士ならプロじゃないひとを選ぼうとするひとはいませんからね。
まあしかし、この話は、プロのほうがサービスの品質がよいからそちらを選べということをいいたかったのはないのです。翻訳のような資格の要らない仕事では必ずしもプロのほうが品質がよいとはかぎらないと思います。それはそれとして、世の中にあるいろいろな需要をみなで分け合って職業にしているのだから、他人の仕事をいたずらに脅かすようなことをしないのが倫理的な態度だと思うのです。
たとえば、最近は行政が古紙の回収をしていますが、わたしはなじみの業者に渡しています。それを仕事にしているひとたちがいるのに、行政が無償でやってしまうのは民業圧迫だと思っています。
2008/10/30(木) 08:38 | URL | たんご屋 #Qhkulfr2[ 編集]
プロの「仕事」、「技術」に対してお金を払うってことが浸透していないような気がします。
結婚式場の集合写真撮影の後で、カメラマンに自分のデジカメを渡して撮影を頼むオジサン、オバサンとかね。「もの」だったら、そんなことはないんですけどね~
やっぱり「アメリカでは医者に電話するだけで請求書が送られてくる」ってのが笑い話として語られる国なんだと思います。
2008/11/03(月) 08:05 | URL | 彩季堂 #/aF5ZJNE[ 編集]
モノ以外にお金を払うのはバカらしいという感覚なんでしょうね。
定年退職したおじさんたちと話をしていると、そういう感覚のひとが多いなあと感じます。翻訳とかテクニカルライティングなんて「仕事」だとさえ思われていないことがあります(笑)。
2008/11/03(月) 08:23 | URL | たんご屋 #Qhkulfr2[ 編集]
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