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昨年 12 月に情熱大陸というドキュメンタリ番組で渡辺明と羽生善治の将棋竜王戦のことが取り上げられた。民放の番組で将棋が取り上げられるのはめずらしいので録画した番組を楽しみにして見てみたら内容があまりにひどいのでおどろいた。

テーマであるはずの竜王戦とはまるで関係のない話が唐突に入ってくる。たとえば、将棋好きのテレビタレントが子どもに将棋を教えているところ。竜王戦となんの関係もない。もっとひどいのは某有名野球監督へのインタビュー。長嶋茂雄さんなら将棋好き、羽生さん好きで知られているが、その監督が将棋に興味があるとはあまり聞いたことがないし、インタビューの内容を聞いても将棋のことに詳しいとは思えなかった。なぜこの番組でそういうひとへのインタビューを放送しなければならんのか。わけがわからない。

渡辺竜王や羽生名人に対するインタビューは、さらにひどかった。今回の竜王戦では渡辺竜王が当初 3 連敗したのだが、渡辺竜王はふがいない自分によほど腹が立ったのか、3 連敗目を喫した後、対局場に泊まらずに最終の新幹線で東京に帰ったらしい。びっくりしたのは、用意されていた宿に泊まらず敗戦のくやしさをかみしめて自宅に帰ろうとしてホームに立つ竜王に取材者が能天気な質問をして返答を求めたことだ。また対局の進行中に両対局者にインタビューをするという信じられない行為もあった。そして、番組の最後に、竜王戦終了 3 日後に敗者の羽生さんを呼び出して「どうして負けたと思いますか」「渡辺さんはどうして勝ったと思いますか」という、非常に失礼な質問をしていた。

番組制作者が将棋や将棋指しに対して興味も敬意ももっていないということはよくわかった。そういえば、むかし、ゴルフの石川遼さんの試合中に、ヘリコプタを飛ばしたり、別の選手に録音装置を持たせて試合中の音声を録ろうとしたりしたのも TBS 系列のニュースだったか。

ときどき見るフィギュアスケートの試合の中継でも、肝心の競技を見せずに、素人のタレントや有名人にコメントさせたり有名選手の日常生活を紹介したりする。いったい、あんなふうな構成をだれが喜ぶと思っているのだろう。そういったことを想い出した。競技の内容やその価値を理解できず扇情的で短絡的なことしか考えられないというところが今回と似ている。

スポーツはその内容にこそ価値があるのだから、そのまま放送してくれればよい。そうしてくれないということは、番組制作者自体がスポーツのコンテンツとしての価値を信用していないということだろう。

今回の番組も、「将棋なんてもの、そのままのすがたを見せてもだれも興味をもってくれないよなあ。有名な野球監督やタレントでも出そうか。対局者にはちょっと煽るような過激な質問をしてみよう。なに、どうせ、たかが将棋じゃないか」と思って制作されたのではないかと思う。

文化を伝える仕事をするはずのひとが、文化というものをいちばん理解できていないようだ。


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