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最近読んだ本。訓読みの歴史、めずらしい訓読みの紹介、一字多訓の話、振り仮名のこと、中国・台湾・朝鮮・ベトナムの訓読み事情など、訓読みにまつわるいろいろな話が書かれている。以前読んだ高島俊男さんの「漢字と日本人」のようにまとまった主題に沿って書かれているわけではなくいろいろな情報を雑多にあつめたという感じの本だが、個々の情報は知らない内容が多い。まあ、おもしろかった。

わたしは、「訓読み」というのは基本的にやまとことば(和語)に漢字を当てたものだと漠然と認識していた。たとえば、むかしの日本には mountain という意味のやまとことばである「やま」という語があったが、日本には文字がなかったので同じ意味の中国文字(漢字)である「山」と表記して「やま」と読むことにした、ということだ。それは、大筋で間違いではないが、この本を読んで、そういう経緯以外の流れでできた「訓読み」も相当数あるというふうに認識を新たにした。そういった単純なやまとことばではない「訓読み」は、やまとことばと漢字との綱引きというか、相互に影響し合うかたちで変化してきたということのようである。たとえば、訓読みは漢字の影響を受けて変化し、漢字は訓読みの影響を受けて本来の意味やかたちから変わっていくというように。

現代の日本で多く使われているカタカナ語や外来語でも同じような相互作用が起きているなあと思う。たとえば、英語の diet は基本的に「食餌療法」というような意味だが、カタカナ語の「ダイエット」となるとほとんど「痩身術」と同じ意味に変化している。もちろん読みかたも英語の発音とは違う。これは漢字でいえば「訓読み」ではなく「音読み」に対応することになるが、発音も日本人が発音しやすいように daietto と変えられているところは漢字の中国語発音が日本独自の「音読み」になったのと相似している。

もう少し漢字の「訓読み」に似ていることをいえば、「アジる」とか「サボる」というような語がそうだろうか。元の語はそれぞれ agitation と sabotage だが、どちらも活用する動詞で、ほとんどやまとことばのようになっている。また、特に sabotage のほうは意味が大きく変わってしまっているところも日本で漢字の意味が変わったことと似ている。最近は、「ゲット(get)する」とか「チェキ(check it)」なんていう英語由来の日本語もある。こういうのは正しい英語を学習するときの邪魔になるという意見をよく聞くが、それをいうなら「手紙」を「てがみ」、「走る」を「はしる」と読むのも中国語学習に悪影響があることだろう。
コメント
この記事へのコメント
日本に住んでいる外国人と接する機会が多いので、日本語の成り立ちについて考えることがよくあります。ちょっと面白そうなので、読んでみることにします。ご紹介頂き有り難うございました。
2009/02/07(土) 18:38 | URL | 彩季堂 #/aF5ZJNE[ 編集]
この本は、そうですねえ、日本語の成り立ちなどについての自分の考えを整理するにはよいと思います。それにしても、1つの語の表記に対して何十もの読みかたがあってそれぞれに意味が違う場合があるということを日本語が母語でないひとに説明するのはそうとうたいへんなことだと思います。でも、日本人はそういう言語を自然に使っているんですねえ、考えてみれば。
2009/02/07(土) 19:59 | URL | たんご屋 #Qhkulfr2[ 編集]
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