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わたしの郷里は京都府に属する。「ものもらい」のことを「めばちこ」ではなく「めぼ(めいぼ)」というなど大阪や神戸の影響よりは京の都の影響がやや強いのかなと思うところがないでもないが、多くのひとが京都と聞いて想像する地域とは大きく異なる、日本海に面する漁師町だ。ちなみに、どうでもよいことではあるが、わたしのハンドル「たんご屋」の「たんご」はこの京都府北部の旧国名「丹後(タンゴ)」からとったものだ。

そんなわたしの郷里に「たんのする」という方言がある。意味は「あきるほど満足する」「満足して飽きる」というような意味だ。英語でいえば tired of という感じだろうか。「たんの食べる」というふうに副詞風にも使う。「堪能する」のことなんだろうな、しかし、田舎の方言にしてはむずかしい漢語を元にした方言があるものだな、と思っていた。

このことばに本などで出くわしたこともないし、いわゆる関西、京阪神のひとがこのことばを使っているのを聞いたこともなかったので、うちの地域だけで使われているのだろうと思っていたが、この記事を書くために Google で調べてみたら、なんと、播磨、伊勢、信濃と思われるサイトでこの語を方言として言及していた。それぞれ、京の都からの距離というか行きやすさがわたしの郷里と同じくらいといえるかもしれない。いや、それはちょっと無理があるか。いずれにせよ、こんなことはインターネットがなければ一生わからなかった。インターネットはやはりすごい道具だ。

この語は実は方言ではないのかもしれない。広辞苑第六版に「たんの」という見出しがある。

たんの【堪能】
⇒たんのう。日本永代蔵(4)「乞食の―する程銭取らせし人なかりき」

広辞苑に堂々と載っていて方言とも書かれていないということは共通語と考えていいのだろうか。日本永代蔵にあるというのだから、少なくともむかしは上方でふつうに使われていた語のようだ。

ほかにも発見がある。「堪能する」を「漢語」だと思っていたことをさきほど書いたが、どうも漢語ではないらしい。同じ広辞苑に次のように書いてある。

たんのう【堪能】
(足リヌの音便足ンヌの転訛。「堪能」は当て字。「堪納(タンナフ)」とも当てた)

つまり、「たんのう」は実はやまとことばであり、「堪能」と書くのは漢字を当てただけだったのだ。びっくり。

なお、「スペイン語が堪能である」というときの「堪能」のほうはれっきとした漢語のようで、「カンノウ」と読む。
コメント
この記事へのコメント
「たんのする」...言葉の響きが優しいですね。私も故郷の大分の方言をWikiで調べてみました。ブログタイトルにしている失った故郷です。各地を転々としていたので大分弁はほぼ喋れず、遠い記憶の中の優しい言葉たちを探っていくと、「いいちこ」というのを見つけました。大分弁で、「いいですね。」という意味だそうです。「ちこ」は強調の接尾語なんだそうです。へええ.....。
トーク番組などでこの人はいいなあと思っていた浅井慎平さんがあのいいちこのポスター写真を撮っていらっしゃるんだということを初めて発見。Wikiを閉じて、自分のところのコメント画面に戻ると、たんご屋さんのコメント発見。これは偶然?それとも共時性でしょうか?
たんご屋さんの名前の疑問もとけました。
2009/02/11(水) 01:04 | URL | 沈丁花さん #m9.eh7ss[ 編集]
「たんのする」のひびきは優しいですか。そんなふうにはあまり思っていませんでした。本文に書いたとおり、これは方言なのかどうかよくわかりません。方言と思っていたら共通語だったり、共通語と思っていたら方言だったということがたまにありますからね。
2009/02/11(水) 10:33 | URL | たんご屋 #Qhkulfr2[ 編集]
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