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炎上とは、Wikipedia によれば、「ブログやニュースサイトを主とするウェブ上のコメント欄に、ブログ主やニュース記事に対してコメントが殺到すること」だそうだ。最近では新聞記事でも見るようになったが、そんなふうにふつうの語として使われ出してからまだほんの数年しか経っていないと思う。

それ以前は、「荒らし」とか「フレーム」とかいう用語がよく使われていた。といっても、わたしの理解ではそれらの語も現在の「炎上」とは少し意味合いが違う。「荒らし」とは管理者が不適切と判断する特定の投稿またはそういう投稿を書き込むひとのこと、「フレーム」とはメーリンクリストや電子掲示板などで複数の人が感情的になって互いに挙げ足取りや中傷の投稿を始めること、とわたしは理解している。

この「フレーム」とは frame (枠)ではなく flame (炎、パッと燃え上がるの意)のことで、ニュースグループの英語でのコミュニティで使われるようになった語だと思う。つまり、もともと英語なのだ。ロングマン英英辞典の flame の項の最後のほうに次のように書かれている。

to send someone an angry or rude message in an email or on a BULLETIN BOARD

BULLETIN BOARD が大文字なのは物理的な掲示板ではなくて電子掲示板だということなのだろう。この辞書が定義のために使用している単語の一覧にない語彙ということのようだ。

その後、パソコン通信の時代に、この英語の flame が「フレーム」というカタカナ語になってそのまま使われていたのはよく覚えている。現在使われている「炎上」という語はこの「フレーム」から作られたのだろうと思っていたが確証はない。Wikipedia もわたしの推測と同じ説明をしているのだが、この記事を書いた人にどの程度の根拠があったのかわからない。

「フレーム」のもともとの意味は投稿者同士の中傷合戦だと思うが、現在の「炎上」という語はブログの記事にともかく大量のコメントが付くことというような意味で使われている気がする。当然ながら記事に批判的なコメントやおもしろ半分のコメント、悪意のあるコメント(荒らし)である場合が多いだろうが、好意的なコメントであっても大量に付けば迷惑だからそれも「炎上」だろう。まあ、「フレーム」はメーリングリストや電子掲示板での諍いに対して使われていたのに対して、「炎上」はほとんどの場合ブログのコメント欄に対して使われるからということだろうが。

仮に「炎上」の語源がフレーム(flame)だとすれば、いったんはカタカナ語で使われてから漢語になって定着したといえる。そういう語は珍しいのではないか。ふつうの外来語は写真機がカメラ、電子計算機がコンピュータになるように漢語の後でカタカナ語が定着することが多いように思う。まあ、それだけ、この「炎上」という語は自然にイメージが沸きやすいよくできた訳語なのだろう。
コメント
この記事へのコメント
「炎上」と flame はニュアンスが違うようだなと思っていましたが、たんご屋さんのお話でより理解を深めることができました。「フレーム」というカタカナ語になっていたことは知りませんでした。

なおロングマン社の辞書のひとつ Longman Dictionary of Contemporary English では、確か大文字表記はこの辞書の定義用基本語彙に含まれない単語を意味していたと記憶しています。あるいは、見出し語になっているということだったかな?私の持っているLDOCEはいま実家にあるので確かめられず、また以前の版なので間違っているかもしれません。
2009/02/20(金) 22:39 | URL | 子守男 #SHLDkvn6[ 編集]
おもしろいことに、こういったことは日本語と英語で同じ現象を連想するのですかね。「大洪水」とか「台風」ではないのですね(笑)。

ロングマンの件、なるほど、そういうことですか。そういえばそんな規則があったような気がします。確認して、本文のほうに補足しますね。どうもありがとうございました。
2009/02/20(金) 22:55 | URL | たんご屋 #Qhkulfr2[ 編集]
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先日、ブログに批判的なコメントを集中豪雨的に書き込む行為が摘発された。「炎上」と呼ばれるものだが、この言葉は、ネット社会で使われる場合を除けば、一般にはあくまで「いわゆる」という枕詞なり、カギカッコなりをつけて使われるものと思っていた。 ところが、たま...
2009/02/21(土) 02:03:25 | 英語表現と雑学の小箱
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