上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
かなづかい入門 歴史的仮名遣vs現代仮名遣」という本を読んだ。歴史的仮名遣というのは「かんがへる」とか「をしむ」「ゆゑ」のような今とは少し違う仮名の書き方で明治のころに学校で教えられることになっていた表記方法のこと、現代仮名遣というのは「かんがえる」とか「おしむ」「ゆえ」のような現在生きているひとの多くが使っている仮名の書き方で戦後に学校で教えられることになった表記方法のことだ。

歴史的仮名遣の元になっているのは江戸時代に契沖というお坊さんがまとめた契沖仮名遣というものらしい。契沖さんは、それまで信奉されていた藤原定家の「定家仮名遣」を修正して(文献から推定される)むかしのひとの発音に基づく仮名遣を研究したそうだ。契沖さんのころは(それより前の藤原定家さんのころでも)すでに万葉のころとは語の発音のしかたが変わっていて、たとえばなぜ同じ発音なのに「い」「ゐ」と書く場合があるのかわからなくなっていた。しかし、契沖さんは「いにしえびと(古人)」と真に交感するにはいにしえびとの仮名遣を知らなければならないということで仮名遣を研究した、とこの本では説明している。

この本の後半では、歴史的仮名遣が廃れて現代仮名遣が横行することで日本語の伝統が破壊されるとか仮名文字の情緒性が薄れたなどと主張する歴史的仮名遣愛好者を厳しく批判している。単なる啓蒙書に見えて、実はある一方の考えを強く主張しているけっこう過激な本のようだ。門外漢としては著者のいっていることはいちいち納得できる。だが、もう一方の側の主張も読んでみたくなった。

翻訳の仕事で文章を書くときは常用漢字を使うとか送り仮名は本則だとか現代仮名遣を使うとかいういるさい規則にしばられる。この本を読んでみたのは、それじゃあ現代仮名遣とはいったいなんだという知的好奇心と、仮名遣の歴史や概念を知ることが何か今の仕事の役に立つかもしれないというすけべえ根性からだった。読了して、仮名遣の歴史や概念はある程度理解できたと思うが、具体的に今の仕事に役に立つことは特になさそうだ。それでも、こういう知識が蓄えられていくといつかそういえば知らないうちに役に立っていたなと気付くというようなこともあるんじゃないかと思っている。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://tangoya.blog95.fc2.com/tb.php/478-3738fe3f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。