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テレビを見ていたら、あるタレントが髪を留める道具のことを「ピン(pin)留め」といったので、えっ、「びん(bin)留め」じゃないの、と思った。妻に聞いてみると、妻は子どものころからずっと「ピン留め」だと思っていたし、母親も周りも「ピン留め」と発音していたという。わたしは逆に子どものころから母親も周りも「びん留め」と発音していたので「びん留め」だとずっと思っていた。びん(鬢)を留めるから「びん留め」なんじゃないのか。

おそらく、もともとは「びん留め」なのだと思う。「びん(鬢)」というちょっと古くさい語を知らないひともいて「ヘアピン」の連想から「ピン留め」と呼ぶひとも出てきたということではなかろうか。なお、「びん(鬢)」とは頭の左右側面の髪のこと。「こびん」ともいう。将棋の世界では、王将や飛車などの斜め上のマスを今でも「こびん」と呼んでいる。

ところが、「ピン留め」をわたしの電子辞書で引いてみると、なんと、「180万語対訳大辞典」に載っていた。

ピン止め bobby pin [化学]
ピン止め pinning [その他]

後者の pinning というのは、髪を留める道具のことではなく、たとえば昆虫を台紙に「ピンで留める」というような意味だろう。前者の bobby pin というのはまさにここでいう「びん留め」のことだが、化学用語となっているのがどうにも解せない。

さらに「びん留め」を電子辞書で引くと、今度は「研究社新和英大辞典」にだけ載っていた。

bin-dome
びん-どめ 鬢留め
n. a sidelock fastener.

sidelock というのは鬢のことらしいが、この sidelock fastener という熟語を Google で検索してみてもいわゆる「びん留め」の意味で使っているサイトはまったくない。英語圏で使われることのない熟語と思われる。おそらく、編者は、しいて説明的に表現すればこんなふうにいうことができますよ、という意味でこの熟語を載せたのだろう。英語ネイティブに対して a sidelock fastener と言ったとしても何のことを言っているかは伝わりそうだが、「変ないいかたをするやつだな」と思われそうだ。日本語でいえば「横髪押さえ」というようなものか。

ふつうに使われる英語としては bobby pin、英国では (hair-)grip というようだ。bobby はおかっぱ頭のボブ(bob、bobbed hair)から来ているという。そして、その bobby pin あるいは hairgrip と、ヘアピン(hairpin)は同じではないらしい。freedictionary というサイトに詳しい説明がある。

hairpin - a double pronged pin used to hold women's hair in place
bobby pin, hairgrip, grip - a flat wire hairpin whose prongs press tightly together; used to hold bobbed hair in place; "in Britain they call a bobby pin a grip"

つまり、bobby pin(hairgrip)は hairpin の一種で、むかしからよく目にする、金属でできていて閉じた火箸のような形状のものをいうらしい。こんなことは理容業界では当たり前のことかもしれないが、わたしは知らなかった。
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